IMDB 7.1/10 | IN MOVIES 6.0/10 | 123m
実録ギャング映画その1。ボストンのアイルランド系マフィアのボス、ジェームズ "ホワイティ" バルジャーがサンタモニカで逮捕されたのはまだ、つい最近2011年のことで、彼は現在も刑務所で生存中。ジョニー・デップが役作りのために面会を希望したが断られてしまったそうな。冷酷非情のギャングのトレードマークは禿あたまに革ジャンとカナダドライ・ジンジャーエール。犯罪率が高い事でも有名なボストン街は地味な色彩で寒々しい。
ホワイティは16年にもわたる逃亡生活もあるようなので、映画を作るならそちらも面白そうですが、本作では1970年代〜1980年代の出来事に焦点をあてています。弟は上院議長、幼なじみがFBI捜査官。クールに見えても実際は裏取引と密告。自身の行動哲学を抜く伝説的な犯罪王というよりも、卑怯で欠陥だらけの生々しい人間模様。ベネディクト・カンバーバッチとケビン・ベーコンがいい味です。トライアンフにイタリアのステッカーを貼ったイタリアン・マフィアが興味深い。ほとんど全員悪者なので、どうしてもエンタテインメントにはなりません。(感情移入できる登場人物がいない。)むしろドキュメンタリーとして楽しむ事をおすすめします。
ジョニー・デップの奥様役は「フィフティー・シェイズ・オブ・グレイ」 のダコタ・ジョンソン。
ジャック・ニコルソンがジェームズ・バルジャーを演じた「ディパーテッド」(こちらはエンターテインメント!)を観返すのもいいかもしれない。